面白い話 創作編

齋藤健一の創作集

面白い話 パチンコ店潜入捜査

 主人公、闇裏暗蔵(26)警視庁刑事課所属。常にサングラスをかけている。 

 

 パチンコ屋、制服姿の警察官(闇裏)が、昼間からパチンコを打っている。

 

 「全然出ないなぁ~、このパチンコ台よ~、マジで、切れるぜ!」

 

 拳銃(デザートイーグル)を取り出し、パチンコ台を撃つ。パチンコ台、ぶっ壊れる。悲鳴が上がる店内。

 

 店員「お客さん、というかお巡りさん!止めてくださいよ、お客さんが逃げちゃいますよ!!」

 

 闇裏「うるせえ!玉出さねえ店の方が悪いだろうが!こっちの弾、出してやろうか?」

 

 闇裏が店員の口に拳銃の銃口を入れる。

 

 店員「わ、分かりました。ジャンジャン出しますよ~(泣き)」

 

 店長が青ざめた表情で、急いでホールコンピューターの設定を操作し、闇裏が新たに座った台のみ、大当たり連発するように再設定する。

 

 闇裏「分かりゃあいいんだよ、分かりゃあよ。人間、素直に俺に親切にするのがいいよなぁ~。特に俺はお巡りさんだからよぉ、人一倍、親切にしてもらわねえとなぁ」

 

 闇裏の台だけ、玉がどんどん積み上る。五時間後、その間ずっと出っ放しだったので、パチンコ玉で満杯になった箱が超山積みになっている。

 

 闇裏「お~し、さすがに疲れたぁ~、あ~ぁ、これ、換金しろや」

 

 店員「は、はい。今、玉、数えますんで」

 

 店員が急いでジェットカウンターに箱の中の玉を入れる。

 

 闇裏「うるせえ!これだけありゃあ、大体分かるだろ!!120万円だ。はやく120万円持ってこい!」

 

 店員「あ、あの~、さすがにそこまでの玉はないと思うんですけど~・・・」

 

 闇裏「あ、警察舐めてんの?コロすぞ!コロ助並の知能しかないのかなぁ?この状況で、よくそんなこと、言えますねえ。てめえらが、そのジェットカウンターで、出玉を不正に削ってんのは内定済みなんだよ」

 

 店員、店長一同、青ざめた表情になる。血の気が引く。

 

 闇裏「う~ん、これは重罪なんでぇ、大体、全員、懲役2年3ヵ月、執行猶予無しといったところだな。ま、毎日、本物の犯罪者共と日々の暮らしを楽しんでくれや」

 

 店長「く、くそ~・・・けっして警察にバレないと思っていたのにぃ・・・もう、こうなったら、やけくそだ!銃乱射してコイツを消すしかねえ!」

 

 店長、おもむろに景品交換カウンターの下から、機関銃を持ち出して、店内で乱射しまくる。

 

 次々に射殺されていく客。しかし闇裏は裏のシマに隠れる。

 

 闇裏「ふぅ~、相当いかれてるなぁ。まあ、ギャンブル中毒、略してギャン毒を毎日相手にしている奴らは、性根まで狂っているっつーことか。しゃーねーな。こっちも反撃するしかねえ」

 

 闇裏が手榴弾のピンを抜いて、景品カウンターの中に投げ込む。次の瞬間、大爆発する。

 

 店長、爆散。消滅。

 

 闇裏「ふぅ~、これで一件落着っと。ま、不正は見逃さないってこったな。まあ、悪は必ず滅びる、というのが、聖徳太子の教えだ」

 

 次の瞬間、いきなり店内にクラウンのパトカーが突っ込んでくる。

 

 警察の同僚「闇裏さん、また今回もド派手にやらかしましたねえ。毎回毎回、片付けるこっちの立場にもなってみてくださいよ。穏便にお願いしますよ」

 

 闇裏「おう、すまねえ。ま、とりあえず、さっき俺が出した分の金は、正規の金だからな。出玉を換金して金を貰う。この仕組み通りに、俺はその分の金は貰って行くぜ」

 

 闇裏が店の金庫から4000万円を、死亡した客が所持していたボストンバッグに詰めて持ち出す。

 

 闇裏「ふぅ~、まったく、警察も楽じゃないよ」